aromateabaseは、食の体験を豊かにする〝香り〟を、自由自在に扱えるようになる技法を提案しています。

食べ物を味わうとき、私たちが頼っているのは舌=味覚からの情報だけでしょうか。

たとえば、柚の香りをアクセントに柔らかい出汁を味わうお吸い物。ペッパーとローズマリーの爽やかな香りで一層引き立つ肉の旨み……。

じつは“香り”も欠かすことができない要素で、私たちが食べ物を美味しいと感じるときには必ずと言っていいほど鼻=嗅覚が活躍しています。

味の一要素である香りは「フレーバー」とも呼ばれ、化学的にみれば多くの芳香分子の集合体です。官能基※1を持った芳香分子が揮発して鼻腔に届き、嗅細胞※2を刺激することで私たちは”香り”を認識しています。

※1 有機分子の性質を決める、特徴的な分子の構造のこと。たとえばメタノール、エタノールといったアルコール類の分子は、共通してOHという官能基を持っている。

※2 鼻の奥にある、匂いを感じる細胞のこと。

このような香りの特性を分子レベルまで分解・理解し、その特性に応じた調理を施すことで、“香り”を自由に使って美味しさを最大限に引き出すことができるようになります。

同じ絵画でも、水彩には「水彩の技法」が、油彩には「油彩の技法」があるように、一つひとつの香りにはそれぞれ異なる「香りの技法」があるのです。

どこからか漂ってきた香りが、忘れていた記憶を呼び覚ます…

けれども捉えようとするとどこかへと消えてしまう…

この神秘的な香りの体験と、化学的な物質として説明できる香りの挙動が織りなす魅力を、世界中の人と共有したいと思っています。

Profile

”食べる香り”
植物の香りとエディブルフラワーのスペシャリスト
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Flavorist /Aromatherapist/Herb blender/WEST Level3
口中で感じる香りについての専門家。フレーバリスト。企業やミシュランシェフをはじめとした食のプロフェッショナル向けに香りの使い方をレクチャー、また香りの取り扱いが未発達な分野で課題解決アドバイスをする。香りに焦点をあてたアートイベントの企画運営、まちづくりも行っている。
香りが人の記憶に作用する効果に着目し、植物の香りを生かしたハーブティーや天然香料(エッセンシャルオイル)の香りを纏わせたお菓子、料理の普及活動を行なっている。食文化の中で 特に香りに焦点を当てて、企業向けセミナーや商品開発を行う。香りを際立たせた料理やお菓子の研究開発、規格外果実 など農作物や食用花のレシピ開発、プロデュースを多数手掛ける。

[専門分野]
天然香料/食品香料/エディブルフラワー/アロマテラピー/ハーブ/茶/ワイン等
食材としての花や香りについて精通している専門家。

[経歴]
シェフやパティシエ向けに植物の香りを料理に組み込む技術を指導し、エディブルフラワーの調理法について深い知識を有し、数々のレストラン、パティスリー、企業で香りの活用における革新的なアプローチを提案。

[講座内容]
講座では、植物の香りを実践的かつ効果的に調味料として使う方法、エディブルフラワーの香りを最大限に引き出すテクニックを重点的に取り上げている。同時に、香りの複雑な特性を理解し、その知識を料理やお菓子作りに応用するスキルの習得を目指す。

[専門的アドバイス]
香りの活用が未発達な分野においては、企業や開発者に向けて専門的なアドバイスを提供し、新たな展開や創造的なプロジェクトのサポートを行っている。